「釣りはフナに始まりフナに終わる」という格言がある通り、奥深く、そしてゲーム性の高い釣りが「ヘラブナ釣り」です。
本格的な野釣り(ダムや湖)はハードルが高いですが、東京都内には設備が整った「管理釣り場(釣り堀)」がいくつか存在します。
電車でアクセスできたり、手ぶらで楽しめたり、美味しいご飯が食べられたりと、その魅力は多岐にわたります。
この記事では、東京都内でヘラブナ釣りが楽しめるおすすめの管理釣り場・釣り堀を厳選して紹介します。
「道具がないけど大丈夫?」「初めてでも釣れる?」といった疑問にもお答えする、完全ガイド版です。
この記事のポイント
- 聖地:ガッツリ釣るなら「府中へら鮒センター」一択
- 癒やし:雰囲気とグルメを楽しむ「武蔵野園」
- 格安:数百円で遊べる区立公園(板橋・北区)
- 初心者:レンタルがある場所なら手ぶらでOK
東京のヘラブナ釣り事情と「管理釣り場」のメリット
ヘラブナ釣りというと、大量の道具と長い竿を持って山奥へ…というイメージがあるかもしれません。
しかし、都内の管理釣り場には、野釣りにはない大きなメリットがあります。
1. 魚影が濃く「ボウズ(0匹)」が少ない
管理釣り場は定期的に魚が放流されているため、魚影の濃さは自然のフィールドとは比べ物になりません。
正しいエサ使いとタナ(水深)合わせさえできれば、初心者でも数釣りを楽しめる可能性が高いです。
2. 足場が良くトイレ・食堂も完備
コンクリート護岸や桟橋が整備されているため、泥だらけになる心配がありません。
トイレや自販機、場所によっては食堂もあるため、女性や子供連れでも安心して楽しめます。
東京都内のおすすめヘラブナ管理釣り場4選
都心からアクセスが良く、それぞれのスタイルに合わせて楽しめる4つのスポットを紹介します。
1. 【府中市】府中へら鮒センター
都内最大級かつ、最も本格的なヘラブナ専用管理釣り場です。
「東京のヘラ師の聖地」とも呼ばれ、ベテランから入門者まで幅広い層が訪れます。
- 特徴:
水深があり、大型のヘラブナが放流されています。屋根付きの桟橋もあるため、雨の日でも快適に釣りが可能です。
本格的な「メーターセット」や「チョウチン釣り」など、多様な釣法を試せるのが魅力です。 - 初心者へのアドバイス:
ここは「ガチ勢」も多いですが、スタッフが親切です。道具がない場合は、レンタルタックルの有無を事前に電話で確認することをおすすめします(※基本は道具持参推奨)。 - アクセス:京王線「武蔵野台駅」・西武多摩川線「白糸台駅」から徒歩圏内。
2. 【杉並区】つり堀 武蔵野園
和田堀公園の中にある、昭和レトロな雰囲気が漂う釣り堀です。
ドラマ『孤独のグルメ』のロケ地としても有名で、釣りだけでなく食事も楽しめます。
- 特徴:
5つの池があり、コイ釣りがメインですが、ヘラブナ(フナ)も混泳しています。
ガチガチの競技志向ではなく、「のんびりウキを眺めたい」という癒やしを求める方におすすめです。 - おすすめポイント:
釣りの後は、併設の食堂で「親子丼」や「ラーメン」を食べるのが鉄板コース。ビールを飲みながらのんびり過ごせます。 - アクセス:京王井の頭線「西永福駅」から徒歩15分。駐車場あり。
3. 【板橋区】氷川つり堀公園
石神井川沿いにある、板橋区が運営する公営の釣り堀です。
「管理釣り場」というよりは「公園」ですが、しっかり管理されており、ヘラブナや和金、タナゴなどが釣れます。
- 特徴:
なんと言っても「料金の安さ」が魅力。数百円で竿とエサを借りて遊べます。
池は小さめですが、地元常連客で賑わっています。ヘラブナ専用というわけではありませんが、手軽に「ウキ釣り」の基礎を学ぶには最適です。 - アクセス:都営三田線「板橋本町駅」から徒歩10分。
4. 【北区・板橋区】浮間公園(浮間ヶ池)
JR埼京線の駅前にある、大きな風車がシンボルの公園です。
ここは「釣り堀」ではなく「リール釣り禁止の釣りエリア」ですが、実質的にヘラブナ釣りのメッカとして機能しています。
- 特徴:
「無料」で釣りができます(道具は持参必須)。
無料ですが、釣り座(護岸)が整備されており、多くのヘラ師が並んでいます。公園の売店などはありますが、エサや道具のレンタルはないため、経験者向け、または道具を揃えた後のデビュー戦におすすめです。 - アクセス:JR埼京線「浮間舟渡駅」目の前。
初心者必見!ヘラブナ釣りの基本マナー
ヘラブナ釣りは、他の釣りと比べて「静寂」と「マナー」が重視される世界です。
トラブルを避けるために、以下の点に注意しましょう。
- 静かに釣る:大きな声での会話や、足音を立てて歩くのは厳禁です。魚が散ってしまい、周りの釣り人の迷惑になります。
- スレ針(バーブレス)を使う:ヘラブナはキャッチ&リリースが基本です。魚を傷つけないよう、カエシのない針を必ず使用してください。
- 隣との距離:長い竿を使う場合もあります。入る時は「隣、いいですか?」と一声かけ、仕掛けが絡まない距離を保ちましょう。
最初に揃えるなら?最低限のタックル
レンタルがない場所に行く場合、最初に揃えるべき道具の目安です。
- 竿(ロッド):8尺〜10尺(2.4m〜3.0m)のヘラ竿。初心者用のセット竿で十分です。
- 仕掛け:道糸0.8号〜1.0号、ハリス0.4号〜0.5号。市販の「ヘラブナ完全仕掛け」を買うのが一番早いです。
- エサ:マルキューの「グルテン」シリーズや「ダンゴ」シリーズ。
※迷ったら、パッケージに「水を入れるだけ」と書いてある単品エサを選びましょう。
まとめ:週末は東京の釣り堀で「整う」時間を
ヘラブナ釣りは、ウキのわずかな動き(アタリ)に全神経を集中させるため、日常のストレスを忘れて没頭できる「マインドフルネス」な趣味です。
- 本格派なら「府中へら鮒センター」。
- レジャー派なら「武蔵野園」。
- コスパ派なら「氷川つり堀公園」や「浮間公園」。
まずはレンタルのある場所から始めて、ウキが「ツンッ」と入る瞬間の快感を体験してみてください。
その一瞬に魅了されたら、あなたも立派なヘラ師の仲間入りです。

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