手軽なタックルで高級食材のアオリイカが狙える「エギング」。
「仕事帰りに東京湾の堤防でイカ釣り!」
そんな夢を持つアングラーは多いですが、残念ながら東京湾の奥部(お台場、豊洲、若洲など)でアオリイカを釣ることは、極めて困難(ほぼ不可能)です。
では、東京湾の「どこまで行けば」釣れるのか?
この記事では、東京湾における陸っぱりイカ釣りの現実、狙えるターゲット(シリヤケイカ・ヒイカ)、そして確実に釣るためのエリア選択について解説します。
この記事のポイント
- 悲報:東京23区の海に「アオリイカ」はほぼいない
- 境界線:陸から狙うなら「横須賀(神奈川)」か「富津(千葉)」以南へ
- 例外:春の「シリヤケイカ」なら横浜・川崎でもチャンスあり
- 確実性:東京湾で釣るなら「船釣り」が一番
なぜ東京の堤防でイカは釣れないのか?
アオリイカが生息・産卵するためには、以下の条件が必要です。
- 高い塩分濃度:外洋に近い綺麗な海水を好みます。河川の水が混じる湾奥は苦手です。
- 海藻(藻場):産卵するための海藻が必要です。コンクリート護岸だらけの東京港にはこれがありません。
そのため、「若洲海浜公園」や「豊洲ぐるり公園」でいくらエギを投げても、アオリイカが釣れる確率は宝くじ並みに低いです。
陸っぱり(堤防)で釣れる「境界線」はここ!
「東京湾」と言っても広いです。湾の入り口(外洋に近い場所)まで行けば、堤防からでもアオリイカが狙えます。
1. 神奈川サイド:横須賀・三浦半島エリア
横浜を超えて「横須賀」あたりまで南下すると、水質が良くなりアオリイカの魚影が濃くなります。
有望エリア:
海辺つり公園(横須賀)、三浦半島の各漁港。
※ただし、三浦半島は「エギング禁止」の漁港が増えているため、必ず現地の看板を確認してください。
2. 千葉サイド:内房(富津〜館山)
アクアラインを超えて「富津(ふっつ)」以南に行くとチャンスが生まれます。
有望エリア:
金谷フェリー港周辺や、館山エリアまで行けばエギングの聖地となります。
湾奥でも釣れるイカ「シリヤケイカ」と「ヒイカ」
アオリイカは無理でも、他の種類のイカなら、川崎や横浜(大黒ふ頭など)エリアでも釣れる可能性があります。
シリヤケイカ(春〜初夏)
コウイカの仲間で、胴体の先端から茶色い液を出すのが特徴です。
特徴:
濁りや真水に強く、4月〜6月頃に東京湾の工業地帯(東扇島や大黒海づり施設など)で爆釣することがあります。
底をズル引きする「ズル引きエギング」や「スッテ」で狙います。
ヒイカ(冬)
10cm程度の極小サイズのイカです。
特徴:
冬場に群れで港湾部に入ってくることがあります。ライトタックルで狙う「ライトエギング」のターゲットですが、年によって回遊の当たり外れが激しいです。
確実に釣るなら「東京湾の船釣り」
「車で遠くまで行けないけど、東京湾でイカを釣りたい」
そんな方は、迷わず「船釣り(乗合船)」を利用しましょう。
東京湾の船宿からは、以下のようなイカ釣り船が出ています。
- アオリイカ船:「中オモリ」を使った独特の釣法や、ボートエギング(ティップラン)で狙います。
- スミイカ(コウイカ)船:冬の東京湾の風物詩。テンヤやスッテで狙う伝統的な釣りです。
船なら、アオリイカが生息する「竹岡沖(千葉側)」などのポイントまで連れて行ってくれるため、東京からの出船でもバッチリ釣果が出ます。
まとめ:陸なら遠征、近場ならシリヤケ
東京湾の堤防イカ釣り事情はシビアです。
- 「アオリイカ」を陸から釣りたいなら、横須賀か館山までドライブする。
- 近場(横浜・川崎)なら、春の「シリヤケイカ」情報を待つ。
- どうしても都内から釣るなら「船釣り」に乗る。
「お台場でエギング」は時間を浪費するだけになりがちです。ターゲットとエリアを見極めて釣行しましょう。

コメント