シーバスのメジャーポイントとして知られる「朝潮運河(あさしおうんが)」ですが、実はもう一つの主役がいます。
それが「クロダイ(チヌ)」です。
朝潮運河の垂直に切り立った護岸は、クロダイが好むカラス貝やカニが豊富で、夏場には水面直下でヒラを打つ(魚体が光る)姿が見えるほど魚影が濃いエリアです。
この記事では、朝潮運河でクロダイを釣るための2大釣法「ヘチ釣り」と「チニング(ルアー)」の攻略法、そしてシーズンについて解説します。
この記事のポイント
- 特徴:足元の「壁」にクロダイが張り付いている
- 釣法1:「ヘチ釣り」でカニを落とすのが最強
- 釣法2:「フリーリグ」で底をズル引きするチニング
- 時期:5月〜10月がハイシーズン(夏は浅棚で食う)
朝潮運河のクロダイは「足元」にいる
朝潮運河は、コンクリートの護岸が延々と続く地形です。
クロダイはこの「壁際(ヘチ)」に付着したイガイ(カラス貝)や、そこに隠れているカニを捕食するために、岸ギリギリを回遊しています。
遠くに投げる必要はありません。「足元から1m以内」が最大のヒットゾーンです。
攻略法1:王道の「ヘチ釣り・落とし込み」
最も実績が高いのがこの釣り方です。専用の短めの竿(ヘチ竿)とタイコリールを使いますが、シーバスロッドでも代用可能です。
エサと釣り方
- エサ:
最強のエサは「カニ(岩ガニ・タンクガニ)」です。釣具店で購入するか、現地で捕まえます。
夏場は岸壁に付いている「イガイ」をダンゴ状にして使うのも効果的です。 - 釣り方:
壁スレスレにエサを静かに落とし込みます。
着底したら数秒待ち、反応がなければ少し上げてまた落とすか、数メートル横に移動して落とします。これを繰り返して、歩いて魚を探す(ランガンする)のがコツです。
攻略法2:ルアーで狙う「チニング」
最近人気急上昇中なのが、ワームを使ったルアーフィッシングです。
「フリーリグ」で底をズル引き
朝潮運河の底は泥や砂地が多いエリアもあります。
カニやエビを模したワーム(クレイジーフラッパー等)を使い、オモリが自由に動く「フリーリグ」で底をズルズルと引いてきます。
- コツ:「コンッ!」というアタリがあっても即アワセは厳禁。クロダイがワームを噛み潰すまで待ち、重みが乗ってから強く合わせます。
- ポイント:橋脚周りのボトムや、護岸の継ぎ目などに溜まっていることが多いです。
シーズンと時間帯
ベストシーズンは「夏」
- 5月〜9月頃:
水温が上がると活性が高まり、水面直下(深さ1m〜2m)の浅いタナで食ってきます。サイトフィッシング(見えチヌ釣り)ができるのもこの時期です。 - 冬場:
深場に落ちるため難易度は上がりますが、釣れれば大型(年無しサイズ)の可能性があります。
時間帯
クロダイは警戒心が強いため、「朝マズメ・夕マズメ」や「夜釣り」が有利です。
日中に釣る場合は、潮が濁っている時や、日陰になっている場所(シェード)を狙いましょう。
注意点:通行人とマナー
シーバス編でも触れましたが、朝潮運河は散歩やジョギングコースとしても人気です。
⚠️ 歩行者優先の徹底
ヘチ釣りは護岸のキワを歩き回る釣りですが、通行人が来た時は必ず竿を立てて道を譲りましょう。
仕掛けを振る際も、背後の確認は必須です。タワーマンション住民の方々と共存できるよう、紳士的な振る舞いをお願いします。
ヘチ釣りは護岸のキワを歩き回る釣りですが、通行人が来た時は必ず竿を立てて道を譲りましょう。
仕掛けを振る際も、背後の確認は必須です。タワーマンション住民の方々と共存できるよう、紳士的な振る舞いをお願いします。
まとめ:仕事帰りに「カニ」で勝負!
朝潮運河のクロダイ釣りは、重装備がいらないスマートな釣りです。
- 足元の壁際を「カニ」のエサで探り歩く。
- ルアーなら「フリーリグ」で底を攻める。
- 通行人に配慮し、静かに釣る。
強烈な引き込みを見せる「黒いダイヤモンド」を、都心の運河で狙ってみてはいかがでしょうか。

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